第1話『地方』
私は去年、池袋でディーラー(D)をしていました。
毎日同じ事の繰り返し、そんな生活に嫌気がさし、社会復帰を考えている毎日でした。
そんな折、以前から付き合いのある友人に地方の店(箱)に誘われました。
多少お金もよく、現状に嫌気がさしていた事もあり、私は二つ返事でOKしました。
この判断が、悪夢の始まりだとは思いもせず、私は特急に乗り込みました。
なにせ地方の小箱ですから、小さいバランスの台が2台置いてある、典型的な箱でした。
しかし地方だけに場面が立つ事もあり、まあまあの客の入りでした。
そして一ヶ月が過ぎた頃、一緒に来た友人が、都内に帰る事になり、
代わりに新しいDが入ってきました。
あの時 私も一緒に帰っていれば…
そして来るべき日が来ました。
忘れもしません、冬が始まる頃でした。
その日は客足が遅く、最初に来た客も対ハウスを嫌い、カウンターに座っていました。
それでも夜が深まるにつれてちらほら客が来て、ファーストゲームをはじまりました。
その後 次第に客が増え別の台が開いてしまったのですが、間がよく両方同時に終わったので1台にまとめてやる事になり、ネクストは私が撒く事になりました。
満席の台に座り、いつも通りにシャッフルを始めました。
時刻は午前1時頃、20番程流した所で一人の客が溶け、逃げる様に店を出ました。
その時!
「ドー-ン」という大きな音がし、その瞬間全身から血の気が引くのを感じました。